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人類の地球上への拡散 [01先史の世界]

地球上のあらゆるところに及んでいる人類は、すべて同一の種、つまりホモ=サピエンスである。現在はその起源は約20万年前のアフリカであると考えられている。アフリカに生まれたわれわれ現生人類の共通祖先の中の一集団が、およそ10万年前に西アジアに入り、ユーラシア大陸全域に広がっていった。その一部で5万年~4万年頃に西アジアからヨーロッパにいたのがクロマニヨン人である。人類の足跡はシベリアのツンドラ地帯に及び、一方では当時地続きであったインドシナ半島からインドネシアなどの島々に至るスンダランドにひろがった。5万年頃にはオセアニアに広がっていった。また地続きだったベーリング海峡を徒歩で渡り、1万4千年頃には新大陸に渡り、北アメリカ大陸の大氷床の縁辺を南下しておよそ1000年ほどで南アメリカ大陸南端に至った。さらに3000年前には南太平洋のポリネシアなどの島々まで拡散した。このような「大拡散」はホモ=サピエンスの高度な環境適応能力、文化継承と発明能力の表れである。

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現生人類アフリカ単一起源説 [01先史の世界]

現生人類である「新人(ホモ=サピエンス)」の起源については、「旧人」から連続して進化したと見る見方と、「旧人」とは別に出現したとする見方とが対立していた。前者は「多地域進化説」といわれ、世界中の各地域で原人の時代から現代まで連続して人類は進化してきたと考え、北京原人の子孫が東アジア人となり、ジャワ原人の子孫が東南アジア人(やアボリジニ)となり、ネアンデルタール人がクロマニヨン人を経て現代のヨーロッパ人となったと主張していた。しかし現在は、分子生物学の発達によって化石人類の研究が進み、後者、つまり現生人類は旧人とは別に出現したとの考え方が有力となっている。またその出現地については「現生人類アフリカ起源説」が1987年に提唱され、現在ではほぼ確実視されている。なお、現生人類とは異なった種である「猿人」類も現在のところアフリカのみで見つかっている。

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ホモ=サピエンスと人種概念 [01先史の世界]

世界中に広がっているヒトは、現生人類、あるいは新人とかホモ=サピエンスともいわれる種に属しており、化石として見つかっている現生人類としてはクロマニヨン人や北京原人の周口店遺跡の上層から発見された周口店上洞人などがあります。現生人類の出現時期は4万年前とされてますが、最近はさらにさかのぼっています。そして現在では「現生人類アフリカ起源説」が定説になりつつあるとはどういうことでしょうか。また、ここで間違えていけないのは「人種」という用語の概念です。その使い方には十分注意しなければなりません。

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ネアンデルタール人は隣人? [01先史の世界]

人類の進化の過程において、いわゆる旧人の代表格であるネアンデルタール人については、最近研究が進んで、だいぶその生き様がわかってきたようです。まず、間違えてはいけないことは、旧人から新人(現生人類)に「進化」したのではない、ということです。現在わかってきたことは、旧人と新人、つまり私たちホモ=サピエンスとは長い間、併存していたらしいということです。また、教科書にも埋葬を行うなど、精神性を持っていたことが説明されていますが、最近はかなり高度な、一定の文化を持っていたこともわかってきました。もしかしたら、彼らは私たちの賢い隣人だったかも知れません。

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「人類の起源」の誤解 [01先史の世界]

教科書では「人類は猿人・原人・旧人・新人の順に進化した。」と説明されているけれども、「進化」の意味には注意しなければならない。「人類の起源」という場合の人類とは、「化石人類」のことであって、現在の私たち、現生人類(ホモ=サピエンス)の起源、ということではない。また「起源」の時期についてもどんどんさかのぼる傾向にあるが、その前提として「ヒト」の定義を考えておく必要がある。ヒトの「進化」はどんなふうだったのだろう。そもそも「ヒト」って何だろう。

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北京原人は漢民族の先祖? [01先史の世界]

周口店遺跡博物館玄関前の北京原人中国の北京の南西にある周口店で発見された、原人(ホモ=エレクトゥス)に属する化石人類。1927年から本格的な発掘が行われ、約50万年前から30万年間ごろの原人化石とされた。なお、かつては学名をはシナントロープス=ペキネンシスと言うのだ、と学校でも教えられていたし、最近までその属名が使われたが、現在は原人という「種」に属する一つの地域集団とされるようになったため、その言い方は行われなくなった。
左の写真は、北京郊外の周口店遺跡博物館の玄関前に置かれている「北京猿人」像。ここでは「北京猿人」と言われている。

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タグ:北京原人
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猿人ルーシーに会いに行こう [01先史の世界]

アフリカで発掘されたアウストラロピテクスの化石人骨で、一体分が出土し、ほぼ完全に復元されている女性がいる。彼女は発掘者によってルーシーと名付けられた。発掘現場にビートルズの“ルーシー・イン・ザ・スカイ……”がかかっていたからであった。ルーシーは現在、東京国立博物館で会うことができる。

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“窓”を開いて世界史を学ぼう [世界史学習]

「世界史」って、教わる方も、教える方も大変な教科ではないでしょうか。
それなのに、高校で必修に指定されていて、必ず履修しなければなりません。
それに、大学受験の「世界史B」というのも、中には珍問奇問が痕を絶たず、高校の授業ではカバーしきれないほどの知識量が要求されます。
生徒の皆さんの中には、世界史が得意で興味を持って勉強している人もいるでしょうが、大方は始めから敬遠して、とにかく単位だけ取ろうと、定期テスト前の暗記だけで乗り切り、授業中は英語や数学の内職に忙しくしているのではないですか?
先生方の中には世界史の得意な先生もいるでしょうが、得意な分野…例えばローマ史からヨーロッパ史は話がしやすいのでみっちりやるけど、興味のない中国史はプリントでごまかすとか、ありませんか。
あるいは、生徒さんも先生も、限られた時間数の中で、いわゆる、「ココはでるぞ!、あとは用語集を覚えておけ」式で終わっているのではないでしょうか。

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